この対談がこれほどまでに人々の心を揺さぶったのは、そこに「演出」の匂いがしなかったからだ。昨今のテレビ番組にありがちな、過剰なテロップや効果音は一切排除されていた。
「昔は良かったなんて言いたくないけど、今のテレビは少し優しすぎるかもしれない」。松本がポツリと漏らした言葉に、島袋は深く頷いた。彼女自身、若い頃は大人たちが作ったシステムの中で必死に泳いでいた。だからこそ、今の若い世代のアーティストたちが直面する「綺麗すぎる世界」への違和感も理解できるのだろう。二人が語り合ったのは、業界の裏話ではなく、表現者が表現者であり続けるための泥臭い本質だった。