競馬ファンが最も興味を抱くのが、「馬主である北島三郎氏には、実際にいくら入ったのか」という疑問です。日本中央競馬会(JRA)における競馬の馬主賞金配分割合は明確に定められており、獲得した本賞金・付加賞の全額がそのまま馬主の懐に入るわけではありません。
JRAの一般的な進上金ルールでは、賞金の配分割合は以下のように規定されています。
- 馬主:80%
- 調教師:10%(管理・育成への報酬)
- 騎手:5%(騎乗技術に対する報酬)
- 厩務員:5%(日常の馬房管理に対する報酬)
この80%という基準を総獲得賞金18億7,684万円に適用すると、馬主名義である大野商事への総配分額は約15億147万円となります。
ただし、ここから競走馬を維持するための実費が差し引かれます。栗東トレーニングセンター(清水久広厩舎)への月々の預託料(1頭あたり月額約60万〜80万円×約3年分=約2,500万〜3,000万円)、遠征費用、各種保険料、そして法人税などの税金を考慮する必要があります。関係各所の取材や税務上の経費構造を総合的に試算すると、北島三郎氏(大野商事)の実質的な最終手取り額は約12億〜13億円前後に落ち着いたと見るのが業界内の定説です。
北島三郎氏は当時のメディアインタビューや特番において、「お金のために走らせているのではない。キタサンブラックはファンと仲間を引き合わせてくれた人生の宝物」と繰り返し語っていました。しかし経済的な側面だけを見ても、個人馬主として稀に見る驚異的な大成功を収めたことは間違いありません。