事故発生から40年以上が過ぎても、SNSや動画プラットフォームでは「自衛隊の無人標的機(オレンジエア)が衝突した」「米軍の救援を故意に遅らせた」といった説が消えていない。これらはなぜ、根強く残り続けるのか。
背景には、事故当時の初期報道の混乱や、政府・軍関係の情報開示に対する不信感がある。しかし、事故調が回収した垂直尾翼の残骸、および圧力隔壁の破損面に対するミクロン単位の電子顕微鏡観察結果は、外部からの衝撃破壊ではなく、内部からの気密圧力による低サイクル疲労破壊であることを明白に示している。
火薬の成分や異物の接触痕跡も一切検出されていない。科学的実証データを無視した陰謀論の流布は、真相究明に尽力した専門家たちの検証結果を貶めるだけでなく、遺族の心をいまも傷つけ続けている。