「熱は引いたのに、なぜ咳やだるさだけが延々と続くのか」という疑問に対し、呼吸器のメカニズムからその理由を解説します。
まず、咳だけ長引く原因の多くは「感染後咳嗽(かんせんごがいそう)」と呼ばれる気道過敏状態にあります。ウイルスや細菌によって気道の粘膜が一度激しく破壊されると、病原体自体が死滅した後も神経が剥き出しの状態になり、冷たい空気や会話、ホコリなどのわずかな刺激に対して咳反射が過剰に作動してしまいます。これが数週間から場合によっては2ヶ月以上も咳が止まらない状態を作り出します。
また、喉の激痛が治らない背景には、アデノウイルスや溶連菌(A群β溶血性連鎖球菌)による強い咽頭炎・扁桃炎が関与しているケースがあります。粘膜深部まで炎症が及ぶと、表面の充血が引いた後も嚥下時の痛みが長期間残ることがあります。
そして、微熱と倦怠感が続く理由としては、自律神経の乱れと慢性的な微小炎症が挙げられます。激しい免疫反応によって体力を消耗した身体は、体温調節機能を司る視床下部に一時的な機能不全を起こします。さらに、夜間の咳き込みによる慢性的な睡眠不足が重なり、昼間の強い疲労感や37度前後の微熱として現れ続けるのです。