スイスでの自死幇助は、決して誰でも容易に受けられる「簡易なサービス」ではありません。厳格な医学的・心理的審査を通過する必要があり、経済的負担も小さくありません。
渡航から事後処理までに発生する主な費用内訳は以下の通りです。為替レートの変動(スイスフラン高)もあり、日本円換算では総額250万円から350万円以上に達することが一般的です。
・入会金および年会費:自死幇助団体の会員登録費用(約2万〜4万円)
・書類審査・事前承認費用:提出された膨大な医療カルテの精査(約30万〜50万円)
・現地医師による2回以上の対面診察・致死薬処方料:(約20万〜40万円)
・現地での立ち会い・警察・検視官の手続き費用:(約40万〜60万円)
・火葬・公的証明書発行・遺骨の国際輸送費:(約30万〜60万円)
・渡航費および滞在費:患者本人および同伴者の航空券・介護対応ホテル代(約50万〜100万円以上)
また、審査を通過するためには以下の厳格な審査基準を満たす必要があります。
1. 明確な意思決定能力(判断能力):認知症の進行や重度の精神疾患により正常な判断が下せない状態では承認されません。精神鑑定医による厳格な問診が行われます。
2. 治癒不能な疾患と耐えがたい苦痛:末期がん、ALS(筋萎縮性側索硬化症)などの進行性神経難病、あるいは身体機能を著しく損なう重篤な障害が存在すること。
3. 代替療法の尽滅:あらゆる緩和ケアや治療を試みても、苦痛が緩和されない状態であること。
4. 継続的かつ自発的な意志:外部からの強要や一時的な抑うつではなく、長期間にわたり一貫して自死を希望していること。