大ホールのスポットライトを浴びることだけが、ヴァイオリニストの仕事ではありません。渋谷由美子は、生の音を直接人々に届ける「草の根の演奏活動」を一貫して重視してきました。
全国(東京・仙台・福岡・北海道)を結ぶリサイタル
仙台フィルを退任した後も、彼女の演奏への意欲が衰えることはありませんでした。自身の故郷である福岡をはじめ、拠点としてきた仙台、文化の中心地である東京、そして自然豊かな北海道まで、日本全国の会場で精力的にリサイタルを開催してきました。
プログラミングや演出まで自ら手掛け、共演者との濃密な対話を楽しむ室内楽コンサートは、各地に根強いファンを獲得しています。
子どもたちの感性をゆさぶる体験型ワークショップ
近年、特に力を注いでいるのが子どもたちを対象としたアウトリーチ活動です。小中学校や地域の公民館に自ら赴き、ヴァイオリンの構造を解説したり、すぐ目の前で圧巻の演奏を披露したりする授業を行っています。
「本物の音」に初めて触れた子どもたちの目が輝く瞬間。それこそが、彼女が演奏を続ける大きな原動力の一つとなっています。アコースティック楽器の生々しい振動を肌で感じさせる体験は、デジタル化が進む現代において極めて貴重な情操教育となっています。