順風満帆に見えた二人の高校時代だが、大きな試練が訪れる。上地が右肘を壊し、正捕手の座を退くことを余儀なくされたのだ。ライバルであり弟分でもある松坂大輔の球を受け続けられない悔しさは想像を絶するものだった。しかし、上地は腐ることなく、ベンチやスタンドから誰よりも大声でチームを鼓舞し続けた。
1998年、甲子園での春夏連覇を達成し「平成の怪物」として一気にスターダムへ駆け上がった松坂。その歓喜の輪の裏で、松坂は常に上地雄輔の存在を意識していた。自身の怪我という挫折を乗り越え、陰でチームを支え続けた上地の姿があったからこそ、あの過酷な連投を投げ抜く強靭な精神力が生まれたのだと、後に松坂自身も明かしている。