今日でこそ無添加石けんのパイオニアとして知られる同社だが、その道のりは決して平坦ではなかった。かつて合成洗剤の製造で高い売上を誇っていた時代、前社長である森田光德氏を激しい湿疹と肌荒れが襲った。自社の洗剤が原因であると気づいた彼は、社内の猛反対を押し切り、1974年に合成洗剤の販売を即座に中止。全社を挙げた無添加石けん製造プロジェクトへと舵を切ったのである。
転換直後、売上は急降下し、会社は17年もの長きにわたり赤字経営を余儀なくされた。しかし、森田光德氏は「体に悪いとわかったものを売るわけにはいかない」という確固たる信念を曲げなかった。倒産の危機に瀕しながらも貫かれたこの信念こそが、現在の固い信頼関係と、揺るぎないブランド価値の礎となっている。