お寺と神社の違いを理解するうえで、最も根幹となるのは「信仰している宗教」と「祀られている対象」の相違です。外見上のシンボルや施設内の構造を観察するだけで、目の前にある施設がどちらであるかを即座に見分けることが可能です。
神社は、日本古来の自然崇拝や祖先信仰から発展した「神道(しんとう)」の信仰施設です。海や山、木々、あるいは歴史上の偉人など「八百万(やおよろず)の神」が祀られており、建物の入り口には神域と現世を隔てる結界の役割を果たす「鳥居」が必ず建てられています。神社に常駐して祭祀を司るのは「神主(宮司・禰宜)」であり、神様の依り代(よりしろ)となる鏡や剣、勾玉などの「御神体」は本殿の奥深くに秘められ、一般の参拝者が直接目にすることは原則としてありません。
一方のお寺(寺院)は、古代インドの釈迦が開祖となり中国・朝鮮半島を経て日本へ伝来した「仏教」の修行・儀礼の場です。入り口には屋根のついた重厚な「山門」が構えられ、境内には「住職(僧侶)」が居住・勤務しています。お寺の中心である本堂には、釈迦如来、阿弥陀如来、観音菩薩といった「本尊(仏像)」が安置されており、参拝者は仏の姿を直接拝みながら、自らの心の安らぎや悟り、先祖供養を祈願します。