画面越しに映る男性アナウンサーたちが白髪染めを手放した最大の要因の一つに、頭皮や身体への負担が挙げられます。ニュース番組を日々担当するキャスターは、生放送に合わせて週に1回から2週間に1回という極めて高い頻度で根元を染め直す必要がありました。この過密なメンテナンスが頭皮トラブルやかぶれを引き起こし、健康面から毛染めの継続を断念するケースが少なくありません。
テレビ放送の技術革新も大きな転換点となりました。4K・8Kの高精細カメラがスタジオに導入されたことで、不自然に黒々とした染髪はライトの下で違和感を生みやすくなりました。あえてありのままのグレイヘアを受け入れるほうが、画面越しにも自然で清潔な印象を与えられます。
ニュースを伝えるジャーナリストとしての「説得力」を重視する意識改革も後押ししています。若作りを過度に追うのではなく、年齢と経験を重ねた佇まいをそのまま提示することが、重厚な報道への信頼につながるという認識が放送業界全体に浸透しました。