環状線の路線図を眺めると、野田駅の位置取りは驚くほど絶妙だ。北へ行けば西日本最大の繁華街・梅田(大阪駅)、東へ向かえばサブカルチャーとオフィスがひしめく京橋、南へ下れば天王寺。さらに隣の西九条駅で乗り換えればユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)へもあっという間に到達する。これほどまでの交通結節点でありながら、長年どこか落ち着いた雰囲気を保っていた。
その理由は、隣接する「福島駅」の急成長にあったと言っていい。グルメの街としていち早くブレイクした福島に隣接しているがゆえに、どこかその影に隠れがちだったのだ。しかし、福島エリアの混雑化や店舗の高級化が進むにつれ、より等身大でフレンドリーな接客と手頃な価格帯を求める層が、一駅隣の野田へと流れ込み始めた。いまや「福島で飲んだあとの2軒目は野田へ流れる」のが通の定番ルートになりつつある。