シャアの正体を語る上で外せないのが、実の妹であるセイラ・マス(アルテイシア・ソム・ダイクン)の存在です。二人はザビ家の目を逃れて地球へ亡命し、幼少期を実の兄妹として支え合って生きてきました。
しかし、成長した二人はあまりにも過酷な運命のいたずらによって再会します。ジオン軍のエースパイロットとなったシャアに対し、セイラは地球連邦軍の軍艦ホワイトベースの通信士、後にはパイロットとして戦場に身を置いていたのです。サイド7での遭遇やテキサスコロニーでの直接対話を通じ、セイラは目の前の仮面の男が幼き日に別れた最愛の兄「キャスバル兄さん」であると気付きます。
シャアは妹に対してだけは冷徹な復讐者の仮面を外し、軍を離れて平穏に暮らせるよう莫大な金塊を託すなど、肉親としての深い情愛を見せました。しかし、復讐のために修羅の道を歩み続ける兄と、戦火の中で自らの生きる意味を見出した妹が再び手を取り合うことはなく、二人の道は永遠に交わらないまま分かたれていきました。