金曜日の夜21時。照明を落とした静謐な館内に、低く響く環境音楽。六本木や渋谷に位置する先進的な美術館では、開館時間を大幅に延長する動きが常態化した。
背景にあるのは、ワークスタイルとライフスタイルの多角化だ。「日中は仕事で足を運べない」という層はもちろん、「夜の落ち着いた雰囲気で静かに鑑賞したい」というアートファンのニーズを的確に捉えている。併設された洗練されたラウンジやルーフトップバーでは、企画展とコラボレーションした限定カクテルや限定フードが提供され、アート鑑賞の余韻を深める場として機能している。文化消費が夜の都市経済を強力に牽引する時代がやってきたのだ。