国際的な認知度が低い一方で、日本国内にはうがいの有効性を証明する強固な研究データが存在します。その代表例が、京都大学の川村孝教授(当時)らの研究チームが実施した大規模な臨床試験です。
全国のボランティア約380人を対象に行われたこの試験では、参加者を「水でうがいをするグループ」「ポビドンヨード液でうがいをするグループ」「うがいをしないグループ」の3つに分け、2カ月間にわたる追跡調査が行われました。
その結果、水道水で1日3回うがいを行ったグループは、うがいをしなかったグループと比較して風邪の発症率が36%〜40%も減少したことが判明しました。水うがいによって喉の粘膜を覆う粘液が適度に洗い流され、線毛運動(異物を体外へ押し出す微細な運動)が活性化することが、風邪予防に大きく寄与していると結論づけられています。
厚生労働省のインフルエンザや新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する基本方針でも、最優先の対策として「手洗い」「換気」「適切な湿度管理」が挙げられていますが、うがいが喉の乾燥を防ぎ、口腔内の清潔を保つセルフケアとして有用である事実に変わりはありません。