すみだ北斎美術館のショップが他館と決定的に一線を画すのは、地域に根付くものづくりの系譜をダイレクトにプロダクトへ接続している点にある。墨田区は古くから町工場や職人が集まる手工業の街。この地で受け継がれてきた江戸文化の粋が、北斎の図案と共鳴し合っている。
下町の硝子職人が一つひとつ息を吹き込んで成形する江戸硝子のロックグラスには、底面に繊細な波のカットが施され、琥珀色の液体を注ぐことで陰影が浮かび上がる。さらに、伝統工芸の染色技法を用いた手ぬぐいや、革工房による型押しレザーのカードケースなど、使い込むほどに味わいを増す逸品が揃う。歴史の重みとモダンな機能美が共存するこれらの工芸品は、海外からの来訪者にとっても最高の日本土産となっている。