俳優がビジュアルを変える背景には、常に役作りという重要な要素が存在する。千葉雄大も例外ではない。近年彼が演じる役柄は、かつての少女漫画的なイケメンヒーローから、複雑な人間関係に悩む等身大の社会人や、一癖も二癖もある脇役、人間臭さあふれるキャラクターへと明らかにシフトしている。
スクリーンの中で「生きている人間」をリアルに体現するためには、シュッとした細身のビジュアルだけが正解ではない。生活感や疲労感、哀愁を醸し出すために、意図的に肉体をふっくらさせるアプローチは海外のハリウッド俳優でも日常的だ。彼のシルエットの変化は、ルックスの美しさ以上に作品のリアリティを優先するプロフェッショナルな覚悟のあらわれとも読める。