80年代後半、日本の芸能界はまさに才能がひしめき合う百花繚乱の時代を迎えていた。南野陽子、工藤静香、浅香唯、中山美穂の4人は「アイドル四天王」と称され、連日のように雑誌の表紙や歌番組のトップを競い合った。
エッジの効いたボーカルと圧倒的なカリスマ性で時代を牽引した工藤静香、元気いっぱいの親しみやすさと『スケバン刑事III』でバトンを受け継いだ浅香唯。それぞれが強烈な個性を放つなかで、南野陽子が確立したのは「正統派の気品とミステリアスな美」だった。誰にも媚びない孤高の美意識と、圧倒的なルックスの完成度。ライバルたちと切磋琢磨しながら築き上げたこの独自の立ち位置こそが、80年代アイドル黄金期を最も華やかに彩る原動力となった。