はいだしょうこの歩んできたキャリアは、日本のエンターテインメント界でも類を見ないほどユニークだ。父がピアニスト、母が声楽家という音楽一家に生まれ育ち、幼少期から英才教育を受けた彼女は、難関を突破して宝塚歌劇団に入団。「千琴ひめ」の芸名で娘役として活躍し、その卓越した歌唱力で星組の舞台を華やかに彩った。
退団後、彼女が次なる挑戦の場として選んだのがNHKの看板番組『おかあさんといっしょ』だった。第19代「うたのおねえさん」への就任である。宝塚出身のうたのおねえさんという異色の経歴は、確かなクラシックの技術に裏打ちされた歌声とともに、瞬く間に全国の親子を魅了した。
子どもたちに向けられる温かい眼差しと、妥協のない本物の歌声。子ども向け番組でありながら、親世代までもがその歌唱力に涙した。厳しい規律と高い美意識を求められる宝塚で培った基礎と、子どもたちと心を通わせる純粋さ。この二つの融合こそが、彼女の表現の原点となっている。