劇中で若き日の天野春子を演じた有村架純。わずか数分の出演シーン、聖子ちゃんカット姿で鮮烈な印象を残した彼女のブレイクスピードは凄まじかった。瞬く間にスターダムへと駆け上がり、数々の映画賞を受賞。後には自らも連続テレビ小説の主演を務めるまでに成長した。繊細な心の揺れ動きを目の表情ひとつで語るその演技力は、現代の日本映画界に不可欠な存在感を示している。
一方、アイドルグループ「GMT47」のリーダー・入間しおり役を演じた松岡茉優の進化も見逃せない。群像劇の中で圧倒的なリアリティとテンポ感を放っていた彼女は、今や日本屈指の実力派バイプレーヤーであり、主役を堂々と張る本格派女優へと脱皮した。映画『万引き家族』をはじめとする重厚な人間ドラマで見せる迫真の芝居は、国内外の映画関係者を唸らせ続けている。脇役から始まった二人の躍進は、『あまちゃん』という作品がいかに豊かな才能の揺籃であったかを物語る。