事件の舞台となったのは、カッパドキアの中心的な町ギョレメ近郊に位置するゼミ渓谷(Zemi Valley)です。切り立った奇岩と緑豊かな自然が広がるトレッキングコースとして知られ、観光客が散策を楽しむ穏やかなエリアでした。
2013年9月9日の午後、被害に遭った日本人女性2名はレンタサイクルを利用してゼミ渓谷を走行していました。白昼の明るい時間帯であったにもかかわらず、人通りが途切れた渓谷の奥深くで凶行は突如として発生します。2人は待ち伏せしていた現地の男に刃物で脅され、人目につかない岩陰へと連れ込まれました。
執拗な暴行と刃物による切りつけを受けた結果、現場で1名が命を奪われ、もう1名も首や腹部に重傷を負って倒れているところを後続の観光客によって発見されました。静寂に包まれた世界遺産の渓谷で起きた凄惨な事件の一報は、現地メディアのみならず日本国内でも速報で報じられ、深い悲しみと憤りを呼び起こしました。