もっとも、最初から黄金期が続いていたわけではない。昭和30〜40年代、ニシン漁の途絶や炭鉱の閉山が相次ぎ、村は深刻な貧困と過疎化のどん底にあった。行政も財政破綻寸前まで追い込まれる中、存続を賭けて始動したのが、後の猿払村ホタテ事業育てる漁業プロジェクトへとつながる壮大な資源再生事業だった。
村の全財産を投げ打つ覚悟で稚貝の大量放流に踏み切った当時、周囲からは「海にお金を捨てているようなものだ」と冷ややかな視線も注がれたという。だが、数年後に海の底を埋め尽くしたホタテは村に奇跡のような大豊漁をもたらした。失敗のリスクを背負いながら未来への投資を断行した先人たちの決断が、現在の繁栄の礎となっている。