事態の膠着を受け、千葉県警察は連日数千人規模の捜査員を動員。警察庁の指導のもと、事件と事故の両面から徹底した鑑識作業と聞き込みが展開された。情報の確度を上げるため、有力な情報提供者に対して支払われる捜査特別報奨金制度の適用も視野に入った異例の態勢が敷かれた。
しかし、大規模な人員動員をもってしても、行方不明者捜索には限界が存在した。ドライブレコーダーの映像提供を呼びかけるSNSの活用やボランティアの協力は広がったものの、情報の精査に膨大な時間を奪われる結果となった。善意の情報提供が捜査本部を圧迫する皮肉な構図が生じたのだ。
さらに、当時の捜索ドローンや赤外線センサーの配備状況は、広域かつ複雑な河川敷を瞬時に網羅するには不十分だった。現在でこそAI画像解析を用いた監視網の迅速な展開が進められているが、当時はアナログなローラー作戦に頼らざるを得ない部分が多く、時間の経過とともに生存率が下がるという冷酷な現実に直面せざるを得なかった。