昔ながらの「ただ蹴って前線へ走る」ような力任せのサッカーは、今のU-12年代のトップレベルには一切存在しない。ピッチを目まぐるしく動き回る選手たちの足元を観察すると、ボールのファーストタッチのほぼ8割に「足裏」が使われていることに気づく。フットサル特有の滑らかな足裏トラップは、相手の激しいプレスを瞬時に無力化し、360度どの方向へも即座にボールを運べる体勢を作るための必須スキルだ。
さらに目を見張るのが、プレースピードと判断力だ。フットサルはサッカーに比べてコートが圧倒的に狭く、相手選手が詰めてくるまでの時間が半減する。そのため、選手たちはボールを受ける前に次のプレーを複数パターン脳内でシミュレーションしている。かつて「即興性の欠如」を指摘された日本人の若手選手たちが、いまや世界基準の思考スピードを手に入れつつある背景には、間違いなくこの育成環境の劇的な変化がある。