彼女の再生を語る上で欠かせない存在がいる。写真家であり映画監督の蜷川実花だ。二人はかつて、興行収入22億円を超える大ヒットを記録した映画『ヘルタースケルター』でタッグを組み、美と破滅の極致を描き出した。
現実の彼女が辿った軌跡は、奇しくもあの映画の主人公りりこと重なり合う部分がある。しかし、虚像の美に呑まれて自壊していったりりことは違い、生身の彼女は自らの弱さと罪を認め、泥の中から立ち上がった。二人の間に通底するクリエイティブな信頼関係は、事件後も途切れることはなかった。蜷川が捉える彼女の瞳には、傷を負った者だけが持つ底知れぬ強さが宿っている。