なぜネット空間では、存命の著名人に「死因」や「死去」といったデマが執拗に付きまとうのでしょうか。ここには現代の情報流通における2つの大きな盲点が存在します。
1点目は、「検索サジェストの自己増殖ループ」です。誰かが「みのもんた 最近見ないけど元気かな?」「病気はどうなったのだろう」と検索する際、候補として「みのもんた 死因」「みのもんた 死亡」が表示されると、ギクシャクした不安から多くのユーザーがそのキーワードをタップします。検索エンジンはクリック数が多いキーワードを「需要の高い関連語」と誤認し、サジェストの上位に固定化してしまうのです。
2点目は、「メディア露出ゼロ=死亡」と短絡的に結びつける認知バイアスです。特に昭和・平成のテレビ全盛期に毎日のように顔を見ていた大物芸能人の場合、高齢化に伴う引退でパタリと姿を見なくなると、視聴者の脳内では「何らかの致命的な事態が起きたのではないか」という飛躍が生じやすくなります。
事実無根の死亡説に惑わされないためには、大手新聞社やキー局の一次報道、あるいは所属事務所(オフィス・フォーワン)などの公式発表があるかどうかを必ず確認する情報リテラシーが求められます。