ナイロンバッグの手入れにおいて、洗浄工程以上に仕上がりを左右するのが「乾燥」と「アフターケア」の工程です。ナイロンは熱に弱く、急激な乾燥や直射日光によって繊維が収縮・硬化しやすい性質を持っています。
もっとも重要なのが陰干し方法の徹底です。直射日光に含まれる紫外線はナイロンの染料を退色させ、生地自体を脆化(ぜいか)させます。風通しの良い日陰を選び、バッグの開口部を広げた状態で逆さ吊り、あるいは平干しネットの上に寝かせて干すのが理想的です。この際、型崩れを防ぐために内部に丸めた白タオルや吸水紙を詰め、形を本来の立体的な状態に整えてから乾かすことが決定的なポイントとなります(新聞紙はインクが内布に移る危険があるため避けてください)。
万が一、乾燥後にシワが残ってしまった場合のシワの伸ばし方にも注意が必要です。ナイロンに高温のアイロンを直接当てると一瞬で生地が溶けてテカリや穴あきの原因になります。シワを伸ばす際は、必ず厚手の当て布(綿100%のハンカチ等)を敷き、アイロンの設定を「低温(80〜120度)」またはスチームを浮かせて当てる「浮かしスチーム」を活用してください。スチームの蒸気を含ませた後、手で優しく生地を引っ張って成形し、冷めるまでそのまま静置することで綺麗な平面を取り戻せます。
完全に乾いた後は、仕上げとしてフッ素系の防水スプレー効果を付与しておくのがプロの推奨です。バッグから20〜30cmほど離して全体に均一にスプレーすることで、撥水性だけでなく、手垢や大気汚染物質が繊維の奥に侵入するのを防ぐ防汚バリアとして機能します。