歴史小説やテレビドラマ、大河ドラマ『軍師官兵衛』などの影響により、両兵衛の人物像には一部脚色されたイメージが存在します。一次史料と最新の研究から、よくある誤解を紐解きます。
誤解1:竹中半兵衛は「病弱で刀を振るえない貴公子」だった?
軍記物などでは「白皙の貴公子で馬上から采配を振るうのみ」と描かれがちな半兵衛ですが、実際には極めて剛胆で行動力に満ちた前線の指揮官でした。稲葉山城の乗っ取り劇では、自ら少数の手勢を率いて城内へ侵入し、斎藤家の重臣を討ち取っています。知謀だけでなく、卓越した武術と瞬時の決断力を兼ね備えた実戦派武将でした。
誤解2:黒田官兵衛は「冷酷無情なマキャベリスト」だった?
「天下を狙う野心家」「冷徹な策士」というダークヒーロー的なイメージが強い官兵衛ですが、内面は極めて情に厚い人物でした。当時の武将としては異例中の異例である「生涯にわたり側室を持たず、正室・光(てる)一人を愛し続けた」愛妻家であり、部下への思いやりも深く、家臣から裏切られた記録は皆無に等しいとされています。半兵衛への感謝の念も生涯持ち続け、息子の長政にも「半兵衛殿の恩を忘れるな」と厳しく諭していました。