リンダが物語の随所で尾花夏樹(木村拓哉)に対して執拗なプレッシャーをかけ続ける背景には、単なる批評家と料理人という枠組みを超えた「パリ時代の元恋人関係」という深い因縁が存在します。
かつて尾花がフランス・パリの星付きレストラン『エスコフィユ』を率いていた時代、リンダは彼の才能を誰よりも早く見出し、情熱を注いで世界へと推し上げました。しかし、日仏首脳会談の昼食会で発生した「ナッツ混入事件(重度のアレルギー食材混入テロ)」によって、尾花はフランスの料理界から永久追放され、リンダ自身もジャーナリストとしての名声に大きな傷を負うことになります。
リンダが抱く怒りは、単なるスキャンダルへの憤りではありません。「自分が心から信じ、愛した天才シェフが、なぜあのような破滅的な過ちを犯したのか」「なぜ何も語らずパリから逃げ出したのか」という、裏切られた愛とプロフェッショナリズムの矜持が混ざり合った激しい執念でした。だからこそ彼女は、日本で再起を図る尾花たちの新店『グランメゾン東京』を徹底的にマークし、事件の真犯人を暴き出すために執念深く追い詰めていくことになります。