サンフランソウキョウ工科大学の入学展示会でヒロがお披露目したマイクロボットは、単体では単純な動きしかできない親指サイズの小さなロボットです。しかし、これらが数百万、数千万個単位で協調動作を行うことで、想像し得るあらゆる物体や機械へと姿を変えます。
この驚異的なシステムの根幹を支えているのが、側頭部に装着する神経トランスミッターです。装着者の脳波や思考パターンをミリ秒単位でデコードし、ワイヤレス通信を介して群全体へ直感的な運動指示を伝達します。「頭の中で思い描くだけで、マイクロボットが勝手に動いて形を作る」というインターフェースは、プログラミングや手動操作のタイムラグを完全にゼロにしました。
単体ロボット同士は強力な電磁気力で引き合い、瞬時に連結と分離を繰り返します。個々のユニットは軽量かつ高剛性な複合素材で成形されており、群体となることで強固な防壁にもなれば、高層ビルを軽々と持ち上げるアクチュエータ(駆動装置)としても機能します。ヒロが設計したこの自律分散型の物理フィードバック機構こそが、マイクロボットが万能の道具と呼ばれる理由です。