黄金期の熱狂が去った2000年代後半、グループはメディア露出が激減する苦難の時代を迎えます。しかし、この危機を救ったのが8代目リーダーの道重さゆみでした。
プラチナ期の高度なスキル蓄積とメディア露出の壁
高橋愛をリーダーとし、田中れいな、新垣里沙ら実力派が揃った2007年〜2011年頃のモーニング娘。は、現在「プラチナ期」と呼ばれ、歴代最高峰の歌唱力・ダンスパフォーマンスを誇った時代として高く再評価されています。2009年には米ロサンゼルスの『Anime Expo』で8,000人を動員、2010年にはパリの『Japan Expo』で4,000人を動員するなど、海外でも絶賛を浴びました。
しかし、国内の地上波テレビ番組への露出は極端に減少。「まだ活動していたのか」と揶揄されるなど、実力と世間的認知のギャップにメンバーは苦しめられていました。
道重さゆみの捨て身のメディア戦略とリーダーシップ
この閉塞感を打破したのが道重さゆみでした。彼女は『ロンドンハーツ』をはじめとするバラエティ番組に単身で乗り込み、「自分が一番可愛い」「他のアイドルは眼中になり」といった強烈なナルシスト&毒舌キャラクターを展開。世間からの猛烈なバッシングを引き受けながら、必ず番組内で「モーニング娘。の道重さゆみです」「今のモーニング娘。はすごくかっこいいんです」とグループ名を連呼し続けました。
2012年に8代目リーダーに就任すると、加入したばかりの9期・10期といった若手メンバーの個性を引き出す育成手腕を発揮。自らは歌やダンスが苦手と公言しながらも、徹底的なプロ意識でステージのクオリティを統率しました。
フォーメーションダンス革命とオリコン連続1位の快挙
道重体制下で導入されたのが、鞘師里保をダンスエースに据えたEDMサウンドと一糸乱れぬ「フォーメーションダンス」でした。上空カメラからの幾何学的なポジショニング移動と圧倒的スピード感は、YouTubeを通じて瞬く間に拡散。2013年リリースの『Help me!!』をはじめ、グループ史上初となるシングル5作連続オリコン週間ランキング1位を獲得し、メディアは「モーニング娘。奇跡の復活劇」と大々的に報じました。