ノーリツやリンナイ、パロマといった国内主要メーカーは、給湯器の「設計標準使用期間(耐用年数)」を10年と定めています。これは標準的な使用環境(1日1時間程度の燃焼、年平均気温15℃など)で安全上支障なく使用できる設計上の目安です。10年を過ぎると、経年劣化によって電子基板や燃焼バーナー、熱交換器の摩耗が進み、重大事故や故障の発生率が急激に跳ね上がります。
一方で、一人暮らしで給湯器の使用頻度が低い家庭などでは、15年近くトラブルなく稼働し続ける事例も現実に存在します。しかし、「動いているから問題ない」と過信するのは禁物です。外見上は動いていても、内部では燃焼効率が落ちてガス代が高騰していたり、不完全燃焼防止装置などの安全機能が劣化していたりするリスクが潜んでいます。
設置から10年目前後になると、リモコンに「888」や「88」という数字が点滅することがあります。これは機器の故障ではなく、給湯器の10年点検お知らせ表示です。メーカーによる有償点検を受けるか、新しい機器への交換を検討すべき明確なタイミングといえます。
また、省エネ性能に優れた「エコジョーズ」の場合も基本的な耐用年数は約10年ですが、従来型とは異なる注意点があります。エコジョーズは排気熱を再利用する際に酸性のドレン排水が発生するため、これを中和する「中和器」が内蔵されています。この中和器の寿命が約10年に設計されており、中和器が寿命を迎えてエラーが出ると、給湯器全体が使用できなくなる構造になっています。