検索エンジンのサジェスト機能には、時に利用者の不安や好奇心がそのまま映し出される。「片山怜雄 事件」「片山怜雄 特定」「片山怜雄 公式発表」という並びは、何か重大な出来事があったことを示唆するように見える。しかし、ここで冷静に考えたいのは、「事件」という言葉の定義だ。
刑法上の事件であれば、逮捕・起訴・裁判といった公的記録が必ず存在する。ところが、そうした記録は確認できない。むしろ、SNSや匿名掲示板で「事件」と呼ばれているものの実体は、コミュニティ内のトラブル、契約上の係争、あるいは単なる人間関係の摩擦である可能性が高い。表現が独り歩きし、あたかも刑事事件であるかのような印象が形成されているとすれば、それは看過できない情報の歪みである。
同様に「公式発表」という言葉も要注意だ。企業や官公庁が発表したのであれば、必ず一次情報が残る。プレスリリース配信サイト、官報、行政の告示、あるいは当該企業のニュースリリース欄。いずれにも該当する文書が確認できない以上、現時点では「公式発表」は存在しないか、極めてアクセスしにくい限定的な場所でしか公開されていないと判断せざるを得ない。