結論から申し上げますと、『僕のヒーローアカデミア』のイレイザーヘッド役の声優は一度も交代していません。第1期の初登場から最終決戦に至るまで、すべて諏訪部順一さんが魂を込めて演じ切っています。ではなぜ、ネット上で「声優交代」や「相澤先生の声が変わった」という噂が広がったのでしょうか。取材を進めると、主に3つの背景が浮かび上がってきました。
第1の要因は、諏訪部順一さんが2026年1月に受けた手術に伴う一時休養です。当時、諏訪部さんは健康維持と今後の活動のため、約2〜3週間の休業を発表しました。このニュースがSNSで拡散される過程で「体調不良でアニメを降板したのでは?」と早とちりした一部ファンの不安が検索キーワードとして急上昇した経緯があります。実際には速やかに復帰を果たし、アフレコスケジュールにも影響はありませんでした。
第2の要因は、作中における相澤消太の過酷な戦闘描写と迫真の演技変化です。全面戦争編以降、相澤先生は右目を失うなど肉体的・精神的に極限のダメージを負います。それに伴い、諏訪部さんの発声も初期のだるそうなトーンから、喉を絞り出すような緊迫感と痛みを帯びた芝居へと劇的な進化を遂げました。この鬼気迫る名演を耳にした視聴者が「声質が変わった」と感じ、交代を疑うきっかけになったと見られています。
第3の要因として、スピンオフや学生時代を描いた過去エピソードでのキャスト表記が挙げられます。回想シーンで描かれた若かりし日の相澤消太(学生時代)の描写や、海外版吹き替えの話題が混ざり合い、情報が錯綜した結果「声優が変わった」という誤認が定着してしまった側面があります。