1985年、渡辺プロダクションからデビューしたABブラザーズは、瞬く間にスターダムへと駆け上がった。『オールナイトニッポン』のパーソナリティに抜擢され、端正なルックスと軽妙なトークで女子中高生を中心に熱狂的なファンを獲得。当時、お笑い界のニューウェーブとして、フジテレビの『夕やけニャンニャン』などにもレギュラー出演し、時代の寵児となった。
しかし、その急激なブレイクこそが、皮肉にも二人の運命を狂わせる引き金となっていく。人気が集中したのは、愛嬌があり器用に立ち回る中山秀征だった。ピンでの仕事が増える中山に対し、ネタ作りを担当していた松野大介の露出は徐々に減少。コンビ内のバランスは、本人たちの意思とは無関係に崩れていった。