多摩川花火大会の最大の特色は、神奈川県川崎市と東京都世田谷区が多摩川を挟んで同日・同時刻に花火を打ち上げるという全国的にも稀有な「競演スタイル」にあります。川崎側の上流・下流で花火が次々と花開くパノラマビューは圧巻の一言であり、視界180度に広がる光のエンターテインメントを生み出します。
しかし、この壮大なスケールと引き換えに発生するのが猛烈な交通機関の混雑です。川崎側のメイン最寄り駅である東急田園都市線・大井町線の二子新地駅および高津駅は、夕方16時を過ぎると改札口から河川敷へ向かう人の波で埋め尽くされました。特に二子新地駅はホーム幅が狭いため、事故防止を目的とした大規模な駅構内への入場制限が敷かれ、通常なら徒歩数分の距離を進むのに30分以上を要する過密状態となりました。
一方で、この混雑を巧みに回避した来場者たちは、二子新地駅の直利用を避け、東急田園都市線の溝の口駅やJR南武線の武蔵溝ノ口駅から徒歩約20〜25分かけてアプローチする迂回ルートを選択していました。物理的な距離は伸びるものの、人の滞留による足止めを回避でき、結果的に極めてスムーズな移動が可能となる点が現場取材でも確認されています。