「食べ放題で支払った金額以上の金銭的価値を回収できるか」という問いに対して、飲食業界の原価構造からアプローチすると明快な答えが浮かび上がります。飲食店の一般的な原価率は約30%前後に設定されていますが、飲茶・点心メニューにおいては品目ごとの原価率の格差が極めて顕著です。
たとえば、炒飯や焼きそば、花巻(蒸しパン)、大根餅といった炭水化物主体の料理は原価率が15%〜20%程度と極めて低く設定されています。これらを序盤に頼んでしまうと、胃袋のキャパシティが早期に圧迫され、店舗側の利益率に貢献する結果となります。対照的に、原価率が40%〜45%以上に達するのが「海老蒸し餃子(ハーガウ)」「フカヒレ入り蒸しスープ餃子」「蟹味噌入り小籠包」などの海鮮・高級乾物を使用した点心です。
飲茶食べ放題で元を取る方法を金銭面から追求する場合、単品価格が高く設定されている蒸し点心や海鮮炒めを中心に注文を組み立てるのが基本原則となります。ただし、胃袋を限界まで酷使する大食い競争ではなく、「多品種の本格点心を少量ずつ贅沢に味わう」という体験価値こそが飲茶オーダーバイキングの真の醍醐味である点も忘れてはなりません。