台湾旅行のリピーターの間で一時大きな話題となったのが、雙連朝市の再開発計画とそれに伴う移転問題でした。台北市政府都市発展局および台北市市場処が進めた「心中山線形公園」の延伸・美観工事により、線路跡地の緑道整備が進められた際、一部の無許可屋台の整理や仮設フェンスの設置が行われました。これが日本の旅行コミュニティなどで「朝市が全面的に撤退・移転した」という誤認を生む原因となった経緯があります。
台北市市場処の公表データおよび現地の最新状況を確認すると、市場自体が消滅した事実は一切ありません。緑豊かな歩行者専用遊歩道と、民生西路45巷沿いに広がる昔ながらの市場エリアが明確に区分けされ、以前よりも歩行環境の安全性が大幅に向上しました。朝7時を過ぎると、色鮮やかな台湾フルーツを積んだリヤカーや湯気を上げる総菜屋台がずらりと並び、下町ならではの呼び込みの声が響き渡ります。
伝統的なカオス感を適度に残しながらも、観光客が立ち寄りやすい清潔な動線が確保された点は、都市計画と地域文化の共存における成功モデルと言えます。朝市の活況は衰えるどころか、週末を中心に国内外から多くの訪問者を集めています。