六代目中村勘九郎は現在、歌舞伎座の本興行を中心に、ライフワークである「平成中村座」や全国巡業公演など、八面六臂の活躍を続けています。父・勘三郎が遺した「古典を大切にしながら、常に新しいエンターテインメントを追求する」という精神を真っ向から受け継ぎ、現代の観客の心を捉える舞台を次々と創り出しています。
彼の役者としてのキャリアにおいて、2019年のNHK大河ドラマ『いだてん〜東京オリムピック噺〜』で主人公・金栗四三を演じ切った経験は極めて大きな転機となりました。過酷なロケと圧倒的な運動量を求められた同作で見せた泥臭くも熱狂的な演技力は、歌舞伎ファン以外の一般層にも強烈なインパクトを残しました。
現在の公演情報や活動動向を見ても、古典の大役である『義経千本桜』や『連獅子』で重厚な芸を見せる一方、新作歌舞伎や外部の現代劇演出家とのコラボレーションにも果敢に挑んでいます。演劇関係者の間でも「古典の骨組みを崩さずに現代的なスピード感を体現できる稀有な立役」として揺るぎない評価を獲得しています。