五十嵐淳子さんは1952年埼玉県生まれ。1970年代初頭に女優デビューを果たすと、その可憐なルックスと瑞々しい演技力で瞬く間にスターダムへと駆け上がりました。映画やテレビドラマでヒロインを次々と演じ、昭和の映画・ドラマ界に欠かせない存在として確固たる地位を確立します。
転機となったのは、1977年の中村雅俊さんとの結婚でした。人気絶頂期にあった二人の結婚、さらに妊娠を発表してのゴールインは、当時の芸能界において前代未聞の大きな話題となりました。結婚後は家庭を最優先にし、1男3女の母として子育てに専念。家族構成のなかで子供たちの成長を見守りながら、自らの感性を活かしたフラワーショップ「パストーン」を立ち上げ、実業家としても成功を収めました。
女優という華やかな世界に執着せず、生活者としての足元を固め、妻として、母としての役割を誇り高く全うしたその生涯は、多くの女性にとって自立と家庭の両立を示す先駆的なロールモデルでもありました。