高校の職員室やネット上で頻繁に交わされるのが、「進研模試の偏差値は信用できるのか?」という議論です。この疑問を客観的に紐解く鍵は、模試の母集団構成と進研模試高2配点と平均点の統計データにあります。
高2進研模試は基本的に各科目100点満点、3教科300点満点で採点されます。平均点は回や科目によって若干変動するものの、例年英語・数学・国語いずれも35点〜45点前後で推移しています。「平均点が半分にも満たない」という事実は、中堅校から難関進学校まで幅広い学力層が強制受験するマンモス模試特有の分布を反映しています。
ベネッセが提示する「進研模試高2偏差値基準表(GTZ:学力到達度指標)」と、河合塾・駿台模試との偏差値相関を整理すると、以下の明確な差異が浮かび上がります。
- GTZ S1〜S3(偏差値70以上):旧帝国大学・難関国公立大学、早慶上理のA〜B判定水準。河合塾全統模試換算では偏差値60〜63程度。
- GTZ A1〜A3(偏差値60〜69):地方国公立大学、GMARCH、関関同立の合格射程圏。河合塾換算では偏差値52〜58程度。
- GTZ B1〜B3(偏差値50〜59):日東駒専、産近甲龍の中堅私立大水準。実質的な受験生平均層。
- GTZ C1以下(偏差値49以下):基礎学力の定着に重大な課題を抱えるゾーン。教科書の章末問題レベルの再構築が急務。
大手予備校関係者は次のように分析します。「駿台模試が東大・医学部を目指す最上位層に特化し、河合塾全統模試が大学受験予定者全般をカバーするのに対し、進研模試は大学進学を予定していない就職・専門学校希望層を含む高校も参加します。結果として母集団の底辺が広がるため、他の全国模試と比較して偏差値が5〜10ほど高く出る構造的カラクリが生じるのです」。
したがって、「進研模試で偏差値65を取ったからMARCHは余裕」と油断するのは極めて危険であり、全国のライバルと戦う上では、偏差値数値そのものよりも「正答率40%以上の問題を確実に仕留められているか」を点検しなければなりません。