8分の6拍子のリズム感は、各楽器の演奏法やアンサンブルの指揮法にも如実に現れます。
■ ピアノの弾き方におけるポイント
8分の6拍子のピアノの弾き方で最も大切なのは、伴奏の左手の脱力です。アルペジオ(分散和音)が「ド・ミ・ソ・ド・ソ・ミ」のように6つの8分音符で流れる場合、指先だけで打鍵しようとすると音が粒立ちすぎて重くなります。腕全体の重みを「1拍目」に預け、その惰性で残りの2音を軽やかに弾き、再び「4番目の音(第2拍)」で柔らかく受け止めるという、腕と手首のしなやかな円運動が求められます。
■ ドラムパターンとポピュラー音楽のビート
8分の6拍子のドラムパターンでは、基本的にハイハットが「チ・チ・チ・チ・チ・チ」と6連打を刻む中、バスドラムが1拍目(1番目の音)、スネアドラムが2拍目(4番目の音)に配置されます。いわゆる「スローロック」や「6/8バラード」の王道パターンであり、バックビート(4番目の音)のスネアを深めに鳴らすことで、重厚で哀愁漂う独特のグルーヴが生み出されます。
■ 指揮の振り方(2つ振りと6つ振り)
8分の6拍子の指揮の振り方は、テンポによって明確に使い分けられます。AllegroやAndanteなどの一般的なテンポでは「2拍子の図形(下へ叩いて上へ引き上げる)」を大きく振り、指揮棒の動きの中で3分割のニュアンスを示します。一方、Largoなどの極めて遅い楽曲では、腕を細かく6分割する「6拍子の変形図形」を用いてアンサンブルのタイミングをコントロールします。