フェスの熱気と対をなすように、家庭のリビングを支配するのが日本放送協会(NHK)による「NHK紅白歌合戦」だ。司会を務める有吉弘行の軽妙かつ安定した舵取りは、伝統ある長寿番組に現代的なテンポ感と心地よい緊張感をもたらしている。ジャンルレスな選曲とサプライズ演出の数々は、世代を分断させず、ひとつの画面に家族を引き戻す力を持つ。
視聴環境の劇的な変化も見逃せない。地上波のリアルタイム放送に留まらず、TVerでの見逃し配信や関連特番、さらにはABEMAやU-NEXTといった動画配信プラットフォームでの連動企画など、大晦日のエンタメ消費は重層化している。スマートフォン片手にSNSのタイムラインを追いながら、気になったパフォーマンスを即座にチェックするスタイルが完全に定着した。テレビの前に座り続けるだけではない、自由な大晦日の過ごし方がここにある。