『神の雫』の魅力の根源は、原作者である亜樹直(樹林伸・樹林ゆう子によるユニット)の圧倒的な知見と、オキモト・シュウによる美麗かつ情感あふれる作画の融合にある。2004年に「週刊モーニング」で連載がスタートするや否や、敷居が高いと敬遠されがちだったワインの世界をドラマチックな人間模様とミステリー仕立てのストーリーで再構築した。
ボルドーやブルゴーニュの銘醸ワインだけでなく、日常に寄り添うコストパフォーマンスに優れたデイリーワインにまで光を当て、アジア圏をはじめとする世界各国でワインブームを牽引。作中で紹介された銘柄が店頭から一瞬で姿を消す「神の雫現象」は、単なる漫画のヒットを超えた社会現象となった。グルメ漫画の枠組みを根底から刷新したこの金字塔は、連載完結から時を経た今も色褪せることなく、新しい世代の読者を魅了し続けている。