ダイエッターの間で根強く囁かれるのが「ゆで卵を夜に食べると脂肪に変わって太る」という噂です。しかし、睡眠中の代謝機構を冷静に分析すると、この言説には大きな誤認が含まれています。
ゆで卵夜食べると太る噂の発生源は、夜間の活動量低下によるエネルギー余剰への警戒感です。確かに、就寝直前の過食は胃腸への血流集中を招き、睡眠の質を著しく下げます。しかし、空腹に耐えかねて菓子パンやスナック菓子に手を伸ばしてしまうくらいであれば、ゆで卵を1個摂取する方が体脂肪蓄積のリスクは圧倒的に抑えられます。糖質がほぼ含まれていないため、夜間に脂肪合成を促すインスリンが分泌されないからです。夕食の糖質を控え、就寝の2〜3時間前までにゆで卵を食べるアプローチは、むしろ深夜の飢餓感を沈静化させる有効な選択肢となります。
さらに長年議論されてきたのが、卵黄に含まれるコレステロールの健康影響です。かつては「卵は1日1個まで」が半ば常識とされていましたが、ゆで卵コレステロール真相はすでに医学的にアップデートされています。
厚生労働省は2015年の「日本人の食事摂取基準」改定において、食事からのコレステロール摂取上限値を撤廃しました。体内のコレステロールの約7〜8割は肝臓で自生的に合成されており、食事から多く摂取した場合は体内の合成量が自動的に抑制される「ネガティブフィードバック機能」が正常な体内には備わっているためです。日本動脈硬化学会の見解でも、健常者において食事由来のコレステロールが直接的に動脈硬化性疾患を急増させる証拠は不十分とされています。
では、現代人はゆで卵1日何個を基準とすべきなのでしょうか。健康な成人であれば、PFCバランス(タンパク質・脂質・炭水化物の比率)と1日の総摂取エネルギーを逸脱しない限り、1日2〜3個の摂取は全く問題ありません。ただし、家族性高コレステロール血症などの既往がある方や脂質異常症の診断を受けている方は、医師の個別指導を優先してください。