欧州市場でビジネスを成立させる上で、避けて通れないのが多様な食文化や信条への対応だ。ベジタリアン、ヴィーガン、ハラール、グルテンフリー——。マルタを訪れる多様な国籍のゲストに応えるため、各店が鎬を削っているのが「ノンポーク・ノンチキン」のメニュー開発である。
かつて海外のヴィーガンラーメンといえば、薄い野菜スープに茹でた麺を浮かべただけの、どこか物足りない代物が多かった。しかし2026年のマルタで提供されるプラントベースラーメンは、その先入観を木っ端微塵に打ち砕く。
地元産のアーモンドペースト、豆乳、昆布、ドライトマト、そして地中海のハーブを複雑に掛け合わせ、クリーミーかつパンチのあるポタージュのようなスープを作り上げる。動物性原料を一切使っていないにもかかわらず、しっかりとしたコクと奥行きがある。「豚骨好きの肉食派が、あえてヴィーガンラーメンを頼む」という現象すら起きており、食の多様性がラーメンの進化を猛烈なスピードで後押ししている。