埼玉県内の高校ソフトテニスシーンを長年取材してきた関係者が口を揃えて指摘するのは、「かつての公立一強時代から、私立特化型と公立自律型の完全な二極化へシフトした」という構造変化です。なかでも注目すべきは、近年の埼玉県高校ソフトテニス強豪校における序列の刷新です。
その筆頭が昌平高校ソフトテニス部です。専用オムニコート複数面の完備、全国トップレベルの指導陣招聘、さらには専属トレーナーによる科学的フィジカルトレーニングを導入し、県内のみならず関東一円からトップ選手が集う環境を整備しました。選手個々の技術水準とボールスピードは群を抜いており、2026年現在もトーナメントの第1シード争いに君臨しています。
一方、この私立旋風に待ったをかけているのが、公立男子校の誇りを背負う松山高校ソフトテニス部です。伝統的に培われた強靭なフットワークと、相手の前衛を翻弄する配球術、そして「ここ一番で絶対に引かない」泥臭い粘りは健在です。限られた練習環境と公立ゆえの制約がありながらも、OB会による手厚い支援と選手自身の自立的思考によって、私立メガグラウンド勢と互角以上の死闘を繰り広げています。
これら二大巨頭を追撃するのが、高い進学実績を誇りながら質の高い集中練習で実力を伸ばす川越東高校ソフトテニス部、男女ともに全国基準の戦力を維持し続ける埼玉平成高校ソフトテニス部、そして往年の名門としての底力を発揮する上尾高校ソフトテニス部です。各校の指導哲学が先鋭化し、単なる戦力の多寡だけでは勝敗を予測できないスリリングな状況が生まれています。