「子供向け」という固定観念を根底から覆した歴史的理由の筆頭として挙げられるのが、当時の制作現場における妥協なき芸術追求の姿勢だ。NHK(日本放送協会)が1970年代から1980年代にかけて送り出した夕方の放送枠は、単なる子供騙しのエンターテインメントではなく、新進気鋭のクリエイターたちが自らの美学を注ぎ込む壮大な実験場でもあった。
影を多用した照明設計、リアルな質感の衣裳、そして何より人間の深層心理に迫るような不気味の谷現象を惹起する人形の造形美。これらが組み合わさることで、一般的なホラー作品以上の緊迫感が生まれた。当時の昭和テレビ番組における演出表現の自由度が、現代の基準からは想像もつかないほど刺激的な映像空間を作り出していたのである。