鴨志田氏の着こなしは、なぜ世界中のスナップ隊を魅了し続けるのか。その答えは、徹底した正統派のルールを熟知した上で繰り出される「絶妙な抜け感と引き算のバランス」にあります。
イタリアのサルトリア技術に敬意を払いつつ、アメリカン・トラディショナルの実用性やフレンチシックな色使い、さらには日本の伝統色(柿色、墨色、藍色など)を巧みに差し込むスタイリングは唯一無二です。タイドアップした重厚なスーツスタイルであっても、シャツの襟の開き方やチーフの挿し方、靴の選び方にわずかな柔らかさを持たせることで、威圧感のないエレガンスを生み出します。「服に着られるのではなく、着る人のパーソナリティを引き立てる」という彼の着こなし術は、世代を超えて多くのビジネスパーソンや服飾愛好家のバイブルとなっています。