日本人の誰もが一度は耳にしたことがある故事成語・ことわざの代表格、「猫に小判」。その本質は「いくら貴重な物を与えても、本人にその価値が分からなければ全く役に立たないことの例え」である。
猫に金貨を与えても、彼らにとってはただの冷たい金属の板に過ぎない。カリカリのご飯やマタタビのほうが、よほど価値があるのだ。どれほど高価で貴重な物品や情報であっても、受容側の鑑識眼や知識が伴っていなければ、宝の持ち腐れと同義になってしまう。この身も蓋もない現実を、可笑しくも鋭く描写した点に、この表現の秀逸さがある。