ハーレーダビッドソンの歴史を紐解くことは、Vツインエンジンの進化の軌跡を追うことと同義です。現在のラインナップに至るまで、シリンダーヘッドの形状や機構の刷新に合わせて数々の名機が誕生してきました。
現代のOHV(オーバーヘッドバルブ)レイアウトの基礎を築いたのが、1936年に登場したナックルヘッドです。ロッカーアームカバーが「握り拳(ナックル)」に見えることから名付けられたこのエンジンは、高出力化を果たし、現在のハーレーのスタイルを決定づけました。続く1948年には、アルミ製シリンダーヘッドを採用して放熱性を向上させ、鍋を伏せたような形状のパンヘッドへと進化。油圧タペットの導入など信頼性の向上が図られたこの2世代は、ナックルヘッドからパンヘッドへの経緯において戦後アメリカのモータリゼーションを力強く牽引しました。
そして1966年に登場したのが、シャベルに似たヘッド形状を持つショベルヘッドです。1200cc(FL系)からスタートし、後に1340ccへと拡大されたこのユニットは、荒々しい鉄のフィーリングと重厚なトルク感が際立ちます。ショベルヘッドの特徴である独特のアイドリングリズムやトルクの粘りは、旧車フリークの間で今なお別格の支持を集めています。